Дирижер : Владимир Федосеев
Академический Симфонический Оркестр Филармонии - Санкт Петербург
13 июня, 2023 Санкт Петербург
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Sciridov : «Snow Storm»
Conductor : Vladimir Fedoseyev
St.Petersburg Academic Symphony Orchestra
June 13, 2023 St.Petersburg (Russia)
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「サンクト・ペテルブルク(レニングラード)のオーケストラの音はモスクワのそれと比べてアカデミックな響きがする」とは、昔からロシアでよく言われてきたことです。
この「アカデミック」とは、都会的、洗練ということを表していますが、同時に「気取っている」「お高くとまっている」という意味もあって、特にモスクワっ子から、やっかみや揶揄を意図して言われることもあります。(反対に、生粋のペテルブルクっ子はモスクワを「田舎くさい」と呼び、ペテルブルクへやってきたモスクワ在住の日本人である私に向かっては、はばかりもなく言えるモスクワっ子についての悪口?に苦笑したものです。もしかすると、生粋の江戸っ子が大阪に対して感じているそれとよく似ているのかもしれないと、どっち付かず、八方美人の「京都人」の私はその場をうまくかわすことに腐心したのも今となっては懐かしい思い出です。)
さて、そんなアカデミックな響きのするペテルブルクのオーケストラですが、マエストロ・フェドセーエフがスヴィリードフを「持ってくる」と、そこにはやはり《フェドセーエフの音楽》が溢れています。
(現代作曲家の作品としては非常に珍しくも)何十年もレパートリーとして持ち続けておられるマエストロ・フェドセーエフのスヴィリードフ音楽への志向は、やはり「ロシアの魂」。時に迷い、時に悲しみ、時に静けさの中に身を置き、時に情熱的。
御歳90歳を超えられ、世の巨匠の例に漏れず、あらゆる作品の演奏において、全体的にテンポが落とされていますが、これが今回の《吹雪》、その中でも特に『ロマンス』の中に色濃く顕れているのではないでしょうか。そして「春と秋」や「田園」の素朴さ、「結婚式」での静けさは、余計なものを一切削ぎ落とした白眉。魅せよう、聴かせようという、わざとらしさは皆無で、複数のフレーズ、場合によっては曲間に渡ってさえ息の長い、あるがままのとても自然な音楽がそこにあり、だからこそ、しみじみと聴き惚れてしまいます。
ペテルブルク・フィルハーモニーとしては弾き慣れていない作品で(そして、残念ではあるものの御歳90歳の棒振りとしての甘さからも)ところどころにキズのある演奏ではあります(特に「ワルツのエコー」では、やはりБСОとマエストロのコンビネーションには敵わない!)。けれども、そんなことは、この作品と音楽生涯を共にしてきたといっても過言ではないマエストロ・フェドセーエフの自然な息遣いのような演奏と情熱、そして終曲「冬の道」を終えた時の素晴らしい笑顔が、全てを素晴らしいものにしています。
[ホールの響き、録音について]
ペテルブルク・フィルハーモニー大ホールは、私がモスクワからペテルブルクへ行く機会あるごと、必ず足を運んだホールです。このホールの響きは、聴衆が入っていないリハーサル時は豊か(人によっては響きすぎと感じる方も)ですが、聴衆が入るとデッド(ドライ)に寄る場所と、響きをうまく残せる場所に分かれてしまいます。今回の録音ではドライの響き(直接音)をうまく録っておられるような気がしますが、このホールのもう一つの特徴である、直接音と間接音(残響)がうまく混ざり合ってくれないという点も「そのまま」録れています。まるでステージの上で、奏者の近くにいるかのような「近い直接音」は、客席とステージを分けない一体感を感じ、慣れ親しんだモスクワ音楽院大ホールとは違う、「あっ、ペテルブルクの音だ!」と、とても懐かしく思い出しました。
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