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〔製作家情報〕
1926年茨城県水戸に生まれる。
1948年3月東京高等工芸学校木材工芸科(現千葉大学建築科)卒業と同時にギター製作を開始。1960年5月スペインに渡りギター製作を学ぶ。1967年9月ベルギーに於ける国際ギターコンクールで金メダル受賞。
日本における高級ギター製作のパイオニア的存在であり、当時も今も非常にファンの多い国内ブランドです。高い工作精度による美しい外観、弾き易く常に安定感があり、また何よりも日本人の嗜好に音色と演奏性の両面で合致したギターは、海外からも国産ブランドの筆頭として高い評価を得ています。
〔楽器情報〕
河野賢製作 1973年製 No.10 中古の入荷です。
スペインギターのエッセンスを彼なりに独自に再構成し、日本人の演奏嗜好にフィットした音響と演奏性、良質な木材を使用した高級感のある全体に仕上がりは邦人製作家としてこれまでになかったような域に達し、日本という市場におけるギター需要を一気に集中させるほどの人気を誇りました。
当器No.10は当時のカタログでは上位モデルではないものの、内部構造はこのブランド独自の発想による力木配置が実践されており、音も含め全体に河野的な要素が充実したギターとなっています。河野+杉表面板の組み合わせならではの太くヴォリューミィな響き、艶と温かみのある音色が低音から高音までゆきわたり、右手タッチのミートポイントの許容範囲が広く発音のレスポンスもストレスがないので初心者の方でも楽に弾きこなせる感覚があります。ネックはDシェイプのフラットタイプで握った感触はやや薄めの印象があり、コンパクトなグリップ感ゆえに660mmのスケールをあまり感じさせません。
内部構造はサウンドホール上に一つ、下に2本のハーモニックバー。そしてほぼ平行に近い角度で6本の扇状力木がセンターの1本を境にして高音側に3本、低音側に2本、等間隔で配されています。駒板位置には横幅一杯にパッチ板が貼られ、さらにその下にも扇状力木と直角に交差するように1本の短いバー、そしてボトム部ではスペイン的なハの字型のクロージングバーではなく6本の扇状力木の先端を受けとめる様に1本のバーが設置されています。全体に木目に対して平行、または直角に交わる方向で配置された力木で形成されており、四角を基本形とした構造が志向されています。レゾナンスはGに設定されています。
全体に年代相応の弾き傷、打痕、摩擦による塗装のムラがあり、年代相応に十分に弾き込まれております。割れ等の大きな修理履歴はありません。1~5フレットの交換履歴があり、6フレット以降と若干形状が異なりますが演奏上の問題はありません。ネックはほんの若干の順反りですが設定上許容範囲内となっており、こちらも演奏上の問題は有りません。
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